UA値は断熱性能を表す数値の1つで、国土交通省が定めた断熱等性能等級の基準値にも採用されています。
家づくりを検討している人で「UA値」を聞いたことがないという人はいないですよね。
でも、聞いたことあるけどこんな内容がわからないという人いませんか?
- UA値には基準になる数値はあるのか
- UA値が下がるとどのようなメリットがあるのか
- UA値を下げて断熱性能をよくしたらお金がかかってしまうのではないか
今回の記事では、快適な家づくりにUA値が重要な理由やメリット、デメリットについて解説していきます。
UA値(外皮平均熱貫流率)とは
UA値は「外皮平均熱貫流率」といい、家の断熱性能を表す数値の1つです。
熱は高いところから低いところへ移動する性質があります。
UA値は、建物内外の温度差を1度としたときに、建物内部(床・外壁・屋根・開口部など)から外部へ逃げる熱量を、外皮面積で割った数字で表されます。
住宅内の熱の逃げやすさを示しているので、UA値が小さいほど断熱性能が高くなります。
UA値を小さくすると、住宅内の熱が外へ逃げにくくなり、夏は涼しく冬は暖かい家になります。
涼しいや暑いは人の感覚的な部分。
そのため、UA値を活用して断熱性能を数値化することで評価の指標になります。
なぜUA値を確認する必要があるのか
新しく家を建てるときの省エネ基準(住宅性能表示制度)が変わるのを知っていますか?
UA値が低い家にすることで、夏は涼しく冬は暖かい家を建てるために確認するのはもちろんですが、この基準を満たすために確認する必要があります。
国土交通省が2022年4月に改正した省エネ基準は以下のようになっています。
- 2025年→すべての新築住宅に省エネ基準適合を義務付け
- 2030年→すべての新築住宅にZEH水準の省エネ住宅基準適合を義務付け
この適合基準に用いられているのがUA値です。
また、建てる家が省エネ基準を満たしているかを建築会社が施主に説明する義務がすでに法律で課せられていますので、UA値を確認してどのくらいの省エネ基準を満たしているのかを確認してください。
国土交通省のHPからも「省エネ住宅の説明義務について」わかりやすくマンガで解説されています。
省エネ基準は地域区分によって基準値が違う
省エネ基準は各地域の外気温傾向や使用されている設備機器等の実態を踏まえて、以下の8つの地域区分毎に基準値を設定しています。
以下の国土交通省のHPでは市町村ごとの地域区分が記載されています。
自分が建てる地域の区分が知りたい場合は、こちらから確認してみてください。
2022年に改正された断熱等性能等級
断熱等性能等級は等級4が最高等級でしたが、2022年4月に等級5が新設。
また、2022年10月からは等級6・7がさらに追加されました。
新設された等級は以下の仕様と同様の基準になっています。
- 等級5 ・・・ ZEH仕様
- 等級6 ・・・ HEAT20 G2仕様
- 等級7 ・・・ HEAT20 G3仕様
UA値が低い住宅のメリット
UA値が低い住宅のメリットはさまざまありますが、特に以下の4つは重要なポイントです。
快適な室温を保てる
UA値が低い家は断熱性能が高いため、外部からの気温変化や気象条件に左右されにくく、快適な室内環境を維持しやすくなります。
特に寒い冬や暑い夏にも室内温度を一定に保つことができるので、過ごしやすくなります。
我が家は冬がマイナス5℃を下回る地域のため、冬は特に家の中の暖かさを実感します。
冷暖房費が削減できる
UA値の低い家は、冷暖房費が削減できます。
なぜなら、断熱材や高性能な窓を使用して、室内の熱が外に逃げるのを抑え、エネルギーの無駄を減少するためです。
そのため、冷房も暖房も必要最小限で家全体が快適な温度に。
我が家はエアコンを1階のリビングに1台のみを設置していますが、2階の部屋まで快適な温度に設定できています。
冷暖房費がどのくらいかかるかはとても気になるところですよね。
CO2の削減につながる
UA値が低い家は、無駄な冷暖房を使わなくなるため、エネルギー消費量の減少にもつながります。
SDGsやカーボンニュートラルなど地球温暖化防止に向けてさまざまな取組みが実施されていますが、UA値が低い省エネ住宅を建てることも環境への配慮に役立ちます。
健康へのリスクを軽減できる
UA値が低い住宅では、部屋と部屋の温度差がなくなり、室内環境が一定の温度を保たれるため、健康へのリスクが低減できます。
浴室と脱衣所の温度差で発生する「ヒートショック」という名前はよく聞きますよね。
UA値を下げることで、温度差が発生しにくくなり、ヒートショックのリスクも下がります。
我が家は冬でも室内が暖かいため、お風呂上がりに湯冷めして風邪を引くことが減りました。
UA値が低い住宅のデメリット
UA値が低い住宅はメリットもたくさんありますが、デメリットもありますので紹介します。
デメリットは以下の2つです。
建築費が増加する
UA値を低くするためには、高品質の断熱材や窓などを使用するため建設費用が増加します。
キッチンやお風呂などはグレードを上げると目に見えて違いがわかりますが、断熱材や窓はグレードを上げても目に見えての違いがわかりにくいのが欠点。
しかし、省エネ住宅を建てることで、冷暖房費用の削減や国や地方自治体から補助金がもらえる場合もあります。
詳細は、家を建てる地域の自治体などで確認していただければと思いますが、我が家はパッシブハウス基準の省エネ性能の家を建てたので、50万円の補助金を受け取りました。
目先の建築費増加ではなく、ランニングコストなどトータルで費用を考えてみてください。
UA値は設計値であるため、建築会社の技術も必要になる
UA値は設計段階での値です。
そのため、高品質の断熱材や窓を採用しても建築会社の技術がなければ、本来の性能を発揮できない場合もあります。
断熱材の間に隙間があったり、気密性の低い家の場合、結露が発生する可能性も。
UA値が低い家を建てるためには、しっかりとした技術がある信頼できる建築会社を探すことが大切です。
我が家も建築会社選びには相当迷いましたが、自分の理想の家が建てたのも今の建築会社を選べたからです。
以下の記事では、自分が建築会社選びをするときに考えたことを紹介しています。
パッシブハウス基準は必要ないという方にもおすすめの内容となっていますので、ぜひご覧ください。
UA値を確認することで、快適な家を建てる目安になる
快適な家を作るためには、UA値の確認は重要です。
2025年→断熱等性能等級4は最低条件
2030年→ZEH仕様が最低条件
パッシブハウス→UA値の基準はない。しかし、HEAT20 G2を目指すのがおすすめ。
UA値の低い家に住むことで、室温が快適に保たれるだけでなく、冷暖房費の削減や健康へのリスク低減が可能です。
また、今後は省エネ基準適合が義務付けられ、2030年にはZEH相当の家しか建てることができなくなります。
せっかくなら、今のうちから2030年基準の断熱性能が高い家を建てたいですよね。
実際に我が家もHEAT20 G2の家に住んでいますが、寒い冬は暖かく暑い夏は涼しく快適に過ごしています。
ぜひ、UA値を確認して、快適な家づくりに役立ててください。
以下の記事ではパッシブハウスの魅力について書いていますので、ぜひご覧になってください。
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